人気ブログランキング | 話題のタグを見る

従業員のブログです。


by noliette

パート・ド・フリュイ

皆さまこんにちは、販売の内野です。

今日はフルーツの果汁を煮詰めて作ったパート・ド・フリュイです。
フルーツの甘さをぎゅっと凝縮した味にお砂糖の甘さをが合わさった濃厚な味わいです。

パート・ド・フリュイ_d0203239_205739.jpg



そもそも、なぜそのまま食べても美味しいフルーツを、わざわざゼリーにするのか、皆さんわかりますか?

それは保存のためです。

昔、収穫の時期に大量にとれる果物を腐らせずにいかに長く持たせるか、という考えの調理法のひとつだと言われています。
現代では、さまざまな栽培方法で収穫時期をずらしたり、冷凍したり、長く果物を楽しむ方法は沢山あります。
昔はそんな方法はありませんので、収穫したら新鮮なうちにジャムにしたり、コンポートにしたり、コンフィにしたり、そしてこのパート・ド・フリュイのように砂糖菓子にしたりして長く楽しんでいたのです。


ではでは少しですが作っているところをご覧ください。

まずはフルーツのピューレを、お砂糖などと煮ていきます。
そして糖度を計って「今だっ!」というとき、急いで鍋ごと移動してカードル(枠)の中に流します。
パート・ド・フリュイ_d0203239_23425019.jpg


こちらカードルに流しているのは仕込みチームの西嶋。
ガレットデロワのブログに登場しておりました。
緑はキウイ、オレンジ色はアブリコ(杏)です。

熱いうちに流して、四隅まできちんと行き渡るようにささっとならして固まるまでまちます。
パート・ド・フリュイ_d0203239_23444536.jpg



ちなみに私はこれを固まる前に移動してしまい、すべて枠から流れ出させてしまうという、仕込みチームに対して非常に気まずい失敗をしたことがあります(笑)。

そして固まったら次の日、今度はカットです。

そして前回も出てきたギッターで切ります。
パート・ド・フリュイ_d0203239_23455974.jpg


こちらは販売でお馴染みの秦泉寺。製造も販売も全体を把握して、広く仕事をしております。
簡単そうに見えて、このゼリーはぷよぷよとしていて厚みが変わりやすいので切る前にギッターに置く位置も気を使います。広げておいてしまうと薄くなってしまうのです。
パート・ド・フリュイ_d0203239_23473332.jpg


そして切れました。きれいな正方形です。
パート・ド・フリュイ_d0203239_23481824.jpg



こちらに砂糖をまぶし、ひとつひとつ紙パーチにとって、完成。

パート・ド・フリュイ_d0203239_20522349.jpg



クリアケースのギフト用も。
写真がないですが、ヌガーとあわせた詰め合わせも人気です。






実はこのパート・ド・フリュイやヌガーのようなコンフィズリー(砂糖菓子)は、お菓子屋さんにとってはそんなに売れる商品ではないんです。
また、トレトゥールといわれるお惣菜もまた同じです。
みなさん、お菓子屋さんに来て真っ先にパート・ド・フリュイを買うこと、ありますか?そういう方は少ないと思います。

そして、コンフィズリーの場合、一回でたくさん作れるので効率がいい反面、仕込みのチャンスが少ない、ということは職人としては回数をこなして技術を高めるのに時間がかかるということでもあります。

永井もよく言います。
「20年、毎日並べ続けて、時間をかけて売れるようになってきた。最初から今みたいに売れていたわけではない。」

ではなぜそんな商品をわざわざ売るのか?というところですが、それはやはり、「フランス菓子屋」を名乗る上で必要な商品、と、永井が感じているからだと思います。

売れようが売れまいが、菓子屋なら、オールマイティーになんでもこなせないとダメ。これはすごく得意だけどこれは全くできない、というのは永井の求める職人像ではないのです。

しかし、オールマイティーにやれるようになるには長い時間が必要。でも、少しでも早く習得するためには、仕事にスピードを求めたり、一度教わったことをもう一度聞かない、効率を考えて動く、まわりを見る、などなど、ノリエットの仕事の厳しさは最終的にはお店のためだけでなく個人の成長のためでもあるんだなぁと、新入社員を見ながら思い、また自分もまだまだなのだなぁと思う日々です。

パート・ド・フリュイから話がそれてしまいましたが、そんなノリエットの考えを表す大事な脇役たちであるコンフィズリー(砂糖菓子)やトレトゥール(惣菜)、ぜひお試しください。

パート・ド・フリュイ(全10種)
1つ110円
ギフト用10個入りクリアケース1415円
ほか、15個、20個入りもございます。
(価格は税抜です)

さて、私、内野が更新するブログは今日で最後です。
ノリエットの内側からしか見えない世界をお伝えすることを心がけて更新してきましたが、いかがでしたでしょうか?

今後は新入社員三人に頑張って更新してもらうことにします!

皆さま、またあう日まで…!







Noliette
東京都世田谷区赤堤4-40-7 1F
03-3321-7784
# by noliette | 2014-04-03 22:15

ボンボン・ショコラ

皆さまこんにちは、販売の内野です。

今週は沢山更新します!

今日はショコラの世界をご紹介します。

ショコラとはフランス語でチョコレートのことです。
ボンボン・ショコラというのは一口サイズになったチョコレートで、ノリエットの場合は中にガナッシュが入っているものが主流です。
近頃ドラマでショコラティエが取り上げられたこともあって、ショコラができる様子を目にしたことのある方が増えたと思います。
もちろんドラマでも再現されていますが、実際の様子はもっとハードです。


まずはガナッシュを作ります。
ガナッシュとは一言で言うなら生チョコです。
厚さ5ミリほどの薄く大きな生チョコを
作ります。
そして固まってからギッターという機械にのせて切ります。

ボンボン・ショコラ_d0203239_16474149.jpg


ギターの弦のような針金が等間隔についているので手で下ろすと均等にきれる仕組みです。
そして向きを変えて並べてもう一度切ると、

ボンボン・ショコラ_d0203239_16491020.jpg



ひし形に切れました。
ボンボン・ショコラ_d0203239_16495730.jpg


丸い場合はひたすら型で抜きます。
ボンボン・ショコラ_d0203239_16504589.jpg


この型抜き作業をシェフの永井がやると驚異のスピードであっという間に終わります。

このガナッシュをひとつひとつチョコレートでコーティングするのですが、ただ溶かしたチョコレートでコーティングするのでは美しくそして口どけのよいおいしいチョコレートはできません。
そのために必要なのは「テンパリング」という作業。


溶かしたチョコレートを大理石の台に流してまとめながらまた広げ、温度を均一に下げていきます。

ボンボン・ショコラ_d0203239_16541886.jpg



実際にやる量は半端ではなく、放っておくと固まってしまうので手早い作業と手の感覚でベストなタイミングを見計らう職人技です。経験が必要です。

「ブログなのにタブリエ(エプロン)が汚れててすみません」
とテンパリング中の大山。

チョコレート作りは本当に周りが汚れやすいです。
掃除も大変。
よくチョコレート専門店の方は黒いコックコートを着ていますが、ファッション要素以外にも汚れが目立たない利点があるんです。

そしてこのテンパリングをしたチョコレートにガナッシュを一つ一つ入れてコーティングする「トランペ」という作業。

チョコレートの海にガナッシュを入れてフォークですくい、余分なショコラを落としながら紙の上に並べていきます。
ボンボン・ショコラ_d0203239_16544658.jpg

ボンボン・ショコラ_d0203239_17112033.jpg



これ、ひとつひとつひたすらやります。
もう、私だったら絶対めげちゃいます。

そして、上に飾りをつけるタイプの場合はひとつひとつ並べたらすかさずピンセットでをのせます。
大抵この役割は新人が任されます。
今日は今春入社、新卒の杉本が担当。
のせ方ひとつで見映えが変わりますので、単純作業と言えど気が抜けません。

そしてできたのがこちら。

ボンボン・ショコラ_d0203239_1655585.jpg



この赤いのはフランボワーズ(=木苺)です。中のガナッシュも木苺味でチョコレートのビターな甘さの中に甘酸っぱさが広がる人気のお味です。

たった一口で食べられるこのボンボン・ショコラ、さまざまな行程を経てできあがります。
バレンタイン時期はトータルで1万個(!)は優に越える数を作ります。
このトランペ1万回以上やるんです。
毎日文字通りチョコまみれです。

そしてショコラ細工と言えば大山。

過去には工芸菓子で大きなピエスモンテをコンクールに出品したことも。

うさぎの形のチョコレートの器ににボンボン・ショコラを三粒閉じ込めたものや
ボンボン・ショコラ_d0203239_16594724.jpg



ハート型の器にチョコレートのリボンをあしらった飾りなど。
ボンボン・ショコラ_d0203239_16595984.jpg



20周年パーティーでのケーキの上のリボンの飾りも大山作です。
(ちなみにセンスの光る上の文字を書いたのも大山です)
ボンボン・ショコラ_d0203239_1713515.jpg



いかがですか? パティシエの華やかなショコラの世界の地道な作業をご覧いただきました。

このように完全手作りですので品切の際はご容赦ください。
お好みで選んだチョコレートを、ギフト用にお詰めしますのでお気軽にお申し付けください!




Noliette
東京都 赤堤 4-40-7 1F
03-3321-7784
# by noliette | 2014-03-26 13:36
【速報】寺山、ルコント杯総合優勝!_d0203239_2052268.jpg


本日行われましたコンクール、アンドレ・ルコント杯、
ノリエットのパティシエ、寺山直樹が総合優勝いたしました!

今、厨房は帰ってきた寺山を迎えてトロフィーを持った寺山の大撮影会!!!

後日、本人より、報告させていただきます!

応援していただいた皆さま、ありがとうございました!
# by noliette | 2014-03-25 20:50

ルコント杯に向けて

皆さまこんにちは、販売の内野です。

今日はまたまたコンクールに向けて頑張るパティシエの姿をご紹介します。


今回はパティシエの寺山です、もうブログでもお馴染みです。

今回参加するのは「アンドレ ルコント杯」です。
アンドレ ルコントさん、といえば、フランス菓子店を日本に初めてだした有名なフランス人シェフで、そのお店は現在活躍する有名な日本人パティシエを何人も輩出している名店です。

その名匠の名前を冠したコンクールの内容は伝統菓子「パリ・ブレスト」とシュー生地を使った新作菓子を作るというもの。
予選を通過した寺山は、25日の実技審査本番に向けて毎日遅くまで練習と準備に追われています。



さて、私はパティシエには大きく分けて2タイプあると勝手に思っています。

1つが感覚派、もう1つが理論派です。

目上の人を分類するなんて失礼なのを承知で書きますが、
寺山は後者だと思います。
(ちなみにシェフの永井は感覚派だと勝手に思ってます)

寺山の仕事はひとつひとつ細かく計算されています。パティシエという仕事自体が緻密な計算が求められるものですが、寺山は中でも特に下準備から出来上がりまでとーっても細かく計算して仕事をするタイプ。
その証拠がこちら↓
ルコント杯に向けて_d0203239_23361273.jpg



このルセット(レシピ)の細かさ、丁寧さ!
毎回考案するケーキはすべてこんな風に細かく書き起こし、頭の中でも紙の上でも緻密に計算しています。
今回のコンテストで求められているのはパリブレストにおいてはフランス菓子の伝統を理解しているかということ、そして新作菓子はその逆の発想で作りつつ、フランス菓子としてのルールを守ったもの、と私は解釈していますが、寺山はさらに掘り下げて過去の入賞作品や審査員のシェフのの分析もしっかりしています。そう、「理論派」です。
しかし、自分の個性もしっかり出さなくては意味がないので、そこは普段から新作ケーキを開発しながら磨いてきた「感覚」部分が光るところ。新しさや自分らしさを菓子作りにこめるのは日々の感性を磨くところからすでにスタートしている模様です。

こうしてみると、パティシエのコンクールはフィギュアスケートのような芸術分野のまざったスポーツ競技ににている気がしませんか?


そして試作。
オーブン操作中の寺山。
ルコント杯に向けて_d0203239_23375291.jpg


実技コンテストなので制限時間内に作らなければなりません。
仕事後に練習、と思っても、この時期は菓子屋にとって繁忙期。
まとまった時間は休日にしか取れないため、実は3月はもう毎週、休日にお店に来て練習しています。
その時出来上がったケーキは次の日に試食させてもらうのですが、毎週完成度が上がっていくのがわかります。

写真や味をお見せしたい!ところですが、まだ本番前ですので詳細はごめんなさい。
また後日お伝えしますね。


ちなみに、私が感覚派と思っているシェフの永井の場合は新作づくりはスピードに乗って、作りながら完成されていくイメージです。
頭の中にあるイメージを作りながら形にしていきます。
もちろん、経験値が高いからできるというのはありますが、永井の場合は料理人出身という特有のスピード感があります。

そんなパティシエの個性を私は売り場から眺めて色々なタイプがいるから皆でいいチームになるんだなぁと思っています。





ながくなりましたが、こんなノリエット、また内側からご紹介しますね。

コンクール本番はもう間近。
寺山の応援よろしくお願いいたします!
# by noliette | 2014-03-23 21:59
皆さまこんにちは!販売の内野です。

すっかり更新が途絶えてしまいましたが、久々の投稿は人気商品のこちらの再開のお知らせです!↓

【再開】ソフトクリーム フルーツソース添え_d0203239_0111913.jpg




ソフトクリーム フルーツソース添え 400円です。

昨夏、ノリエットではソフトクリームマシンを導入しました。
冬の間お休みしていましたが、昨日より再開です。

ノリエットのソフトクリームは、普通のお店のものとは一味違います。
パティスリーらしい手間とアレンジをかけて大人も楽しめる一品です。

まずは、ソフトクリーム。
ミルクの風味豊かに感じられる配合を考えお作りしました。
普段のケーキにも使うバニラビーンズを入れて、甘い香りもプラスしました。

そしてフルーツソース。
今シーズンは春らしく苺のソースをお作りしました!
もちろん、自家製です。
このソフトクリームのためだけにソースを煮ています。
上にかけるだけでなく、中にも少し忍ばせ、甘酸っぱさを中まで楽しめます。

上にはさくさくのシリアルチョコレートを散らして食感もプラス。

そしてコーン。
美味しいソフトクリームをゆっくり味わえるように、内側にはひとつひとつ丁寧にチョコレートがけしました。
ふだん、ソフトクリームを、食べていて、コーンがふにゃふにゃになることはありませんか?
内側のチョコレートが溶けたアイスを染みないようにしてくれる上に、チョコレートの甘さもまたアクセントに。

もちろん、ご注文いただいてからお作りしますので、レジにてお申し付けください!

お席でもお召し上がりいただけます。

暖かくなってきましたので、お散歩のお供にも、ぜひ!
# by noliette | 2014-03-22 23:48